時々ニュースで耳にすることが多い「100条委員会」についてお話をします。
地方自治法100条には、普通地方公共団体の議会は、当該普通地方公共団体の事務(※例外あり)に関する調査を行うことができるという規定があり、この規定に基づいて設置される特別調査委員会が100条委員会です。
自治体の長や議員に疑惑や不祥事が生じた場合、真相を究明するために開くことができ、関係者の出頭や証言、記録提出を請求する調査権限があり、通常の委員会よりも大きな強制力を持ちます。
出頭または記録の提出の請求を受けた者やその他の関係者が、正当な理由がないのに、議会に出頭せずもしくは記録を提出しないときまたは証言を拒んだときは、6か月以下の禁錮または10万円以下の罰金に処され、また、虚偽の陳述をした場合には、3か月以上5年以下の禁固に処されます。
議会は、選挙人その他の関係者が、これらの罪を犯したものと認めるときは、告発しなければなりません。
ただし、虚偽の陳述をした選挙人その他の関係者が、議会の調査が終了した旨の議決がある前に自白したときは、告発しないことができます。
議会は、選挙人その他の関係者が公務員たる地位において知りえた事実は、その者から職務上の秘密に属するものである旨の申立てを受けたときは、当該官公署の承認がなければ、証言または記録の提出をすることができず、この場合において当該官公署が承認を拒むときは、その理由を疏明しなければなりません。
議会がその疏明を理由がないと認めるときは、当該官公署に対し、当該証言又は記録の提出が公の利益を害する旨の声明を要求することができます。
100条調査権は条例の定めるところにより、議員の調査研究に必要な経費の一部として、会派又は議員に対し、政務調査費を交付することができます。ただし、交付を受けた会派・議員は、条例に定めるところにより、収入・支出の報告書を議長に提出しなければなりません。
議会は、議案の審査、事務に関する調査のために会議規則に定めるところにより、議員を派遣することができます。
100条の2では、議会は、議案の審査・当該地方公共団体の事務に関する調査のために必要な専門的事項にかかる調査を学識経験を有する者等にさせることができる規定も設けています。
このように、地方自治法100条には、調査に関する様々に規定が1項から19項にわたってあります。