5月24日、衆議院で「女性は離婚時に妊娠していなければ、自由に再婚できる(意訳)」とする民法改正法案が可決いたしました。
今まで、女性は、民法733条により、
「前婚の解消の日から6ヶ月を経過後でなければ再婚することができない」
「前婚の解消の前から妊娠していた場合は、出産するまでは再婚することができない」
とされていたのですが、 今回、
「前婚の解消の日から100日を経過後でなければ再婚することができない」
「前婚の解消の日に妊娠していなかった場合は、100日以内でも再婚することができる」
「前婚の解消の後に出産した場合は、100日以内でも再婚することができる」
と民法733条を変更することになりました。
なお、「これから3年間、再婚禁止制度を検討する」と付議がされており、今後、再婚禁止制度自体が無くなる可能性も含んでいます。
今までは、離婚から6ヶ月(約180日)経ないと再婚ができないため、理論上、再婚後すぐに生まれた子供について「父子関係を否定できる」法律上の矛盾がありました。
(民法772条:離婚後300日内の出産は前夫の子、再婚後200日後の出産は現夫の子と推定する)
※今までは再婚禁止期間が約180日のため、理論上は、再婚禁止期間明けすぐに再婚したとしても、前婚の離婚日から300~380日以内に生まれた子は「前夫の子・現夫の子のどちらとも推定されない」という矛盾が存在していました。
今回、法改正により、再婚後に生まれた子供は、
「前婚の離婚後300日以内に生まれた子供は前夫の子と推定する」
「離婚から100日経過後すぐの再婚から200日経過後(つまり前婚の離婚後300日経過後)に生まれた子供は現夫の子と推定する」
と明確に区別されるようになりました。
※離婚時に(前夫との子を)妊娠していなければ、すぐに再婚しても200日以降に現夫の子を出産するため問題は起こらないので、法改正後は離婚日に妊娠していないことを医学的に証明すればすぐに再婚可能となる予定です。
今回の再婚禁止規定の大幅な変更は、2015年12月16日の最高裁判決で、現行の再婚禁止規定に違憲判決が下されたことにより、今期の国会で法改正をすることになったものです。
今までは、離婚後6ヶ月経たないと再婚できないため、法律の矛盾(前婚の離婚日から300~380日以内に生まれた子供の父子関係)が問題になっていましたが、法改正によりこの矛盾が解消される予定です。
法律は、私たち市民のしあわせのために存在するものです。
この度の最高裁判決や法改正のように、私たちをしあわせにする法律であってほしいと思います。