相続における権利義務の承継

原則として、相続人は、相続開始の時から、被相続人(財産を残して亡くなった人)の財産に属した一切の権利義務を承継します。
ただし、被相続人の一身に専属したものは承継されません。(民法896条)

では、具体的に承継される権利や義務はどのようなものがあるのでしょうか?

承継されるもの(例)
1.遅滞に陥った過去の扶養義務
2.相続を承認または放棄する権利(民法916条)
3.損害賠償請求権や慰謝料請求権(最判昭42.11.1)
4.借地権、借家権

承継されないもの(例)
1.人格権や肖像権など
2.当事者間の個人的信頼関係を基礎とする法律関係
3.代理権や委任者、受任者たる地位
4.定期贈与(お小遣いや子に対する毎月一定の学費など)(民法552条)
5.占有権(占有権は、今「持っている」その状態を保護する事)

引き継がれるのに適切かどうか、そのような観点から考えることが必要です。