遺言書を書こう

皆さんこんにちは。
突然ですが、皆様の中で遺言書を作成されている、または作成を検討されている方はいらっしゃるでしょうか?なかなか割合が少ないのではないかと思います。
相続手続きのお手伝いをしていると遺言書が有る場合と無い場合がありますが、遺言書が無い場合で、かつ相続人の話がまとまらない場合には、相続手続き進める事が困難となる場合があります。
人間、いつ万が一の事が起こるか分かりませんから、予め遺言書を作成しておく事をお勧めします。

~ケース別の検討~
例えば貴方が5人兄弟で、配偶者はいるがお子様がいらっしゃらない場合についてお話します。相続財産は自宅土地建物(価格4000万円)と預金400万円とします。

このケースで貴方が急にお亡くなりになった場合、民法の規定により配偶者が4分の3、残りの4分の1を生存している兄弟4名で分けますので、兄弟1人あたり16分の1を相続する権利があることになります。これを法定相続分といいます。

法定相続分どおりに分けると、預金については配偶者が300万円、残りの兄弟4名がそれぞれ25万円を取得する事になります。

自宅土地建物については、配偶者が持分4分の3=16分の12、残りの兄弟4名がそれぞれ持ち分16分の1の共有状態となります。

ここで貴方の配偶者が、自宅土地建物には自分しか住んでいないのだから自分の単独所有にしたいと考えた場合、理屈上は貴方の兄弟4名にそれぞれ250万円(4000万円×16分の1)を支払わないと、話がまとまらないかもしれません。4名合計で1000万円の支払いが発生します。

貴方の兄弟全員が無償で自宅土地建物を貴方の配偶者に取得させる事に同意すれば問題はないのですが、殊に兄弟が相続手続きに関係してくる場合、同意を得られないケースも多いです。

そうすると貴方の配偶者は、300万円を相続で受け取っても、1000万円を貴方の兄弟に支払わないと自宅土地建物が自分の単独所有にならないことになります。蓄えがなかったら対応出来ませんね。

このような状態を避け、貴方が配偶者に全ての財産を相続させたいと考えているのであれば、方法は簡単です。
『私の有する全財産を配偶者である○○に相続させる』という趣旨の遺言書を作成すれば良いのです。

兄弟姉妹には遺留分(自分の法定相続分の半分を取り戻す権利)がありませんので、これで全て解決します。とっても簡単ですね。