遺産は配偶者?その前にちょっと検討を!

相続登記・遺産整理のご相談を多くいただく近年、遺産分配内容についても検討を要するご相談も増えております。

例えば、一般的に多い遺産分配内容が「遺産は配偶者へ」なのですが、「その前にちょっと検討しましょう!」となるご相談もございますのでご紹介します。

 

<例>
被相続人 Aさん
相続人  配偶者 Bさん
子   Cさん
子   Dさん

Aさんの遺産
・預金   1000万
・不動産  3000万
計     4000万

配偶者Bさんの保有資産
・預金   2000万
・不動産  7000万
計     9000万

このような財産状況の場合、Aさんの遺産を配偶者Bさんが取得してしまうと、Bさんの保有資産が増加してしまい、将来、Bさんがお亡くなりになった際の相続税も増加してしまうのでは?との懸念も生じて参ります。

この点、概算計算をしてみると次のようになります。

 

1.Aさんの遺産を、配偶者Bさんが取得した場合

Aさんの遺産の相続時は、Bさんに相続税がかかりませんが、将来、Bさんがお亡くなりになられた際、次のような遺産となるため、相続税は次のように見込まれます。

将来のBさんの遺産
・預金   3000万
・不動産  1億
計     1億3000万

~相続税概算~
相続人 Cさん・Dさんの相続税合計 約1360万(控除後の税率20%)

 

2.Aさんの遺産を、子Cさん・Dさんが取得した場合

Aさんの遺産の相続時は、Cさん・Dさんに相続税がかかりませんが、将来、Bさんがお亡くなりになられた際、次のような遺産となるため、相続税は次のように見込まれます。

将来のBさんの遺産
・預金   2000万
・不動産  7000万
計     9000万

~相続税概算~
相続人 Cさん・Dさんの相続税合計 約620万(控除後の税率15%)

このように、遺産分配に際して、配偶者が取得した場合と、(次世代の)子が取得した場合では、相続税額に大きな差が発生するご相談も珍しくありません。配偶者の「将来の相続税」なども加味して検討することは非常に重要となりますので、「遺産は配偶者へ」に限らず「遺産を今のうちに次世代へ」という選択肢も検討してみることは大切です。

 

司法書士・行政書士はこのような遺産分配のご相談を多くお受けしております。お気軽に司法書士・行政書士にご相談ください。