意外に難しい(?)自筆証書遺言(その3)

自筆証書遺言で書く内容について、誰に相続させるのか、誰に遺贈するのかは慎重に検討する必要があると紹介しました。

今回は相続や遺贈の対象となる財産や、その財産を受ける人の書き方についてです。

「私名義の不動産を妻に相続させる」
「私名義の株式をAに遺贈する」
こういった書き方ですと、妻名義への相続登記ができなかったり、Aさんが株式を取得できない可能性があります。

遺言書に財産を書く場合はしっかりと特定する書き方をします。

土地の場合:
・所在
・地番
・地目
・地積

建物の場合:
・所在
・家屋番号
・種類
・構造
・床面積

株式や預貯金の場合:
・証券会社名、金融機関名
・支店名

財産を受ける人も、どこの誰かを書いておいた方がいいです。

自然人の場合:
・住所
・氏名
・生年月日

法人の場合:
・本店
・商号または名称

自筆証書遺言の作成方法を定めた民法968条1項は「全文」を「自署」するというようにサラリと書かれていますが、いざ遺言書を書くとなるとこれだけの情報が必要になってくるのです。