これから始まるマイホームの新しい法律(2023.4.1開始)

2023年4月1日より、いくつか不動産の利用に関する法律が開始されます。

マイホームについての問題が多いので、記憶の片隅に留めておくといざという時に役に立つかもしれません。

 

<隣地を使用する権利>
境界付近の壁を修繕する必要がある場合、隣地を必要な範囲内で使用できるようになります。

 

<ライフラインを設置する権利>
道路に接していない宅地(いわゆる囲繞地)のため、水道管やガス管などのライフラインを引き込むことができない場合、その土地の所有者は隣地を通してライフラインを設置することが可能となります(ただし、いわゆる使用料を支払う義務も発生します)。

 

<隣家の枝の刈り取る権利>
隣家が越境している枝を催告しても切らない場合、隣家が所在不明などで催告ができない場合、窮迫の事情がある場合は、隣家から越境している枝をこちら側で刈り取ることが可能となります。

 

<所在不明、返答のない共有者>
所在不明の共有者がいる場合、その他の共有者の合意と公告後の裁判所の決定により、変更(建て替え・増改築・処分など)・管理行為(賃貸など)を行うことが可能となります。

また、供託により共有の解消も可能となります。

更に、返答のない共有者がいる場合、催告後に裁判所の決定により他の共有者により管理行為を行うことが可能となります。

 

<管理不全土地建物管理制度>
現所有者の土地建物の管理が不適当で他人の権利や法律上保護される利益が侵害される場合、裁判所選任による管理人による管理を行うことができる。

 

<10年経過した遺産分割協議>
通常の遺産分割協議は、「お金を500万円もらいたい」「実家の家を取得したい」など、遺産について具体的な内容で分割することが可能ですが、相続発生から10年経過した遺産分割については、そのような具体的相続分ではなく、原則として法定相続分か指定相続分となります。

つまり、「Aさんは50%・Bさんは25%・Cさんは25%にする」などのように割合で分割することになります。

 

<買戻しの特約に関する登記>
買戻しの特約がされた日から10年経過した場合、所有者単独で買戻し特約の登記を抹消することが可能となります。

 

<地上権・賃借権・買戻しの特約に関する登記>
地上権・賃借権・買戻し特約の存続期間が既に満了している場合において、所定の調査方法によっても地上権・賃借権・買戻権者の所在が判明しないときは、所有者単独で登記の抹消を可能となります。

 

<解散した法人の担保権に関する登記>
抵当権者である法人が解散してから30年経過し、清算人の所在が判明しないために抹消の申請をすることができない場合、かつ、被担保債権の弁済期から30年を経過したときは、供託等をしなくとも、所有者単独で抹消登記をすることが可能となります。