未成年者がいる場合の相続手続き

未成年者は判断能力が十分に備わっておらず、単独での法律行為を行うことができないため、法律上遺産分割協議に参加することが出来ません。

そのため、遺産分割協議等の法律行為を行うためには、未成年である相続人の法定代理人が必要になります。

 

通常は未成年者の親権者が法定代理人になりますが、遺産分割協議においては、その親権者が相続人であったり、親権者と未成年者の利益が対立してしまうため両親などの親権者は法定代理人になれない場合があります。

 

このような場合、遺産分割協議をするためには、家庭裁判所に「特別代理人」の選任の申立てが必要となります。

特別代理人は、叔父、叔母などの相続人でない親族が選任されることが多く、場合によっては弁護士、司法書士等の専門家を選任することができます。

なお、未成年者が2名以上いる場合には、未成年者の数に応じて特別代理人の選任をしなければいけません。

 

【特別代理人の選任申立てに必要な書類】

1.特別代理人の選任申立書

2.未成年者の戸籍謄本

3.親権者の戸籍謄本(子供と同一戸籍の場合は1通で兼ねられます)

4.特別代理人候補者の住民票

5.財産証明書(残高証明書や通帳コピー、評価証明書等)

6.「遺産分割協議書(案)」

 

この他に、申立費用として未成年者一人につき800円分の収入印紙と、書類郵送のための郵便切手が必要です。